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ASICトレーニングコース2013@名古屋大学

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ASICとは?


Application Specific Integrated Circuit (ASIC) は「特定用途集積回路」の名前の通り、ユーザーの仕様に応じて製作される集積回路で、放射線検出器の読み出しシステムで多用されています。 以前は開発コストが高かったのですが、現在ではシャトルサービスと呼ばれる方法により安く試作ができるようになってきています。 現在では通常の電子回路基板を製作するくらいの金額で試作できるものもあります。


開催趣旨


本セミナーは初心者を対象にしたASIC実習セミナーです。今や特定用途向け集積回路(ASIC)は先端の測定器開発には欠かせないものとなっており、皆さんもその名前を耳にすることがあると思います。ASICの開発にはプロセスや回路設計など複数の技術が含まれており、初めての方はどこから手を付けて良いか戸惑います。 そこで、講義においてアナログ回路設計, 半導体プロセスなどの知識に馴染んで頂き、計算機を用いた実習を通じてASIC開発に必要となる基礎知識の習得を目指します。(上部写真は過去の実習の様子と製作したASICです。これまでの参加者が製作したチップの例はこちらでご覧になれます。2012からASIC製作を実際に行なうプログラムはOpen-Itプロジェクトへ移行しましたので、2011までのリストになります。今回のセミナーにはASICの製作は含まれませんのでご注意下さい。


開催要項


本セミナーでは、トランジスタからASICの開発に関する講義・実習を2日、レイアウト及び半導体プロセスに関する講義・実習を1日行います(プログラム概要)。Cadence社のCADツールを利用した少人数の実習形式のセミナーで、以下の通りに開催します。

  • 対象:大学院生, 研究員, 教員, 技術職員
  • 日程:2013年9月25日(水) - 27日(金)(3日間)
  • 場所:名古屋大学東山キャンパス 理学部C館 C5講義室 (C517室)

    名古屋大学へのアクセス, 東山キャンパスマップ (会場はD2⑪になります)

  • 定員:20名弱
  • 講師:島崎昇一 氏, 田中真伸 氏 (KEK), 渡部豊喜 氏, 小野木宏太 氏 (名古屋大学), 黒田能克 氏 (三菱重工 / 名古屋大学), 守谷直樹 氏 (Steady Design)
  • 主催:名古屋大学 博士課程教育リーディングプログラム「フロンティア宇宙開拓リーダー養成プログラム」
  • 後援:オープンソースコンソーシアム (Open-It), 高エネルギー加速器研究機構 (KEK) 素粒子原子核研究所, KEK加速器科学総合支援事業
  • 世話人:戸本誠, 鈴木一仁(名古屋大学)
     

申込要項



  • 参加条件:参加される方には下記のことをお願いすることになります。
    1. 使用する半導体プロセスの秘密保持契約の書類にサインをいただきます。(MXIC0.5um CMOS)
    2. シミュレーション実習用端末として、ラップトップPCをご持参下さい。有線LANを使用してsshでサーバーに接続し、X端末として使用できる必要があります。オプションとしてVNC接続も利用可能です。
  • 申込期間:2013年9月2日(月) - 13日(金)(定員に達した時点で締切りとさせて頂きますので、ご了承ください。)
  • 申込方法:申込ページで必要事項を記入し申し込んでください。
  • ご不明な点は世話人までお問い合わせください。
     

コース詳細



  • 講習プログラム
  • 受講前に復習して欲しい事
    限られた時間内に効率よく習得してもらう為に、以下の内容を復習してからセミナーにご参加いただけると幸いです。
    1. 抵抗・コンデンサ等の理解, オペアンプの動作の理解(可能であればトランジスタの動作も)
    2. 回路図・レイアウトエディタ(Cadence)およびSPICE(HSPICE)の基本的な操作を習得済みであれば、なお効果的に製作に取り掛かれます。
  • その他注意点
    1. 本セミナーは初心者向けです。実験等に使用するためのASICデザインに関するご相談はこちらもしくは講師にお願いします。ご相談頂ければOpen-ItのOn the Job Trainingとして別途検討させていただきます。
    2. 大学へ戻ってから設計を続けたい場合、CADライセンスの取得をお願いします。(参考:VDECウェブページ
      • 登録手順例はこちらで、インストール情報はこちらでご覧頂けます。
      • Linuxが動作しているPCであればCADソフトウエアのインストールはほぼ問題がないかと思いますが、全てについて確認をしているわけではありません。
    3. 実際にASICを製作して評価する場合の使用可能パッケージの例はこちらでご確認ください。

 


アンケート


アンケート結果(回答者数13名/参加者数?名)

Q1.シミュレーション実習:内容のレベル(不満足1人、普通2人、満足9人、大変満足1人)
Q2.シミュレーション実習:説明は分かり易かったですか?(とても分かり難い0人、分かり難い2人、分かり易い10人、とても分かり易い1人)
Q3.シミュレーション実習に関する質問・意見
   ・実際の回路の特性を勉強するよい機会になった。
   ・新しい解析方法を知ることが出来たので良かった。
   ・MOSに始まってソース接地、電流源、レベルシフト回路と、アンプを構成する基本回路を順次説明して頂けたの     で非常に理解しやすい流れであった。今回使用したCADは他のCADと比べ、シミュレーション結果が見やすかっ    た。
   ・一日目に配布された資料に初心者でもわかるような詳しいソフトの使い方を載せていただければありがたいで      す。
   ・増幅回路の基本を学ぶことが出来たので良かった。
   ・道具を全て用意して下さったので、スムーズにシミュレーションをすることが出来た。授業は難しかったが面白か    った。

Q4.レイアウト実習:内容レベル(不満足0人、普通5人、満足7人、大変満足1人)
Q5.レイアウト実習:説明は分かり易かったですか?(とても分かり難い1人、分かり難い5人、分かり易い7人)
Q6.レイアウト実習に関する質問、意見
   ・自分で行うのは難しそうだと思った。
   ・ASICのレイアウトをする可能性があるので、今回の実習で知識を得ることが出来、良かった。
   ・別の機会にレイアウトを実際にやるようなレイアウトに焦点を当てた実習があれば嬉しいです。
   ・ASICのレイアウトを実際にどうやって行うか、またその注意点が非常にわかり易かった。
   ・レイアウト設計のさわりとしたら良い内容であったと思う。
   ・所々分かり難い説明があり理解が追いつかないところがあった。
   ・ダミーについてもう少し詳しく話していただけると嬉しかったです。
   

  Q7.興味を持ったこと
   ・設計から簡単な回路でもいいので作ってみたいと思った。
   ・レイアウト方法、ノイズ解析
   ・コースの全内容が興味深くためになった。
   ・OPアンプは使ったことがあるがMOSレベルからの動作を考えたことは初めてでとても興味深かった。
   ・PLLの発表ですが、私の研究にも利用出来そうな技術があったので試したいと思いました。
   ・MOSトランジスタを使った回路作成が面白かった。
   ・アナログ回路の設計に対するイメージがある程度出来るようになったので、次はデジタル回路について学びたい    です。

 Q8.本コースに参加した経緯
   ・研究室の案内メール
   ・TAとして
   ・講師
   ・open-itのWEBを見て
   ・大学LGS案内
   ・大学内メール
   ・総研大の方に勧められた。
   ・先生に勧められて知りました。レイアウトについて詳しく知りたかった為参加しました。
   ・ASICについて初心者向けのセミナーですし、自分もASICについて興味がありますので、今後作る可能性がある    と考えております。それで参加しました。

 Q9.本コースに対するご意見・ご要望等
   ・もう少し基本的なことをやってほしい。
   ・スライド資料もあり分かり易かった。
   ・エラーが出て止まってしまっても追いつくまで待っていただけたのでついて行くことができた。
   ・レイアウトの質問でもしっかり回答していただけたので大変嬉しかった。
   ・開発されたチップのユーザーでしかなかったが、これを機会に開発の中身に触れることが出来非常に有意義だ     った。具体的なターゲットがまだあるわけではないが本講習を参考にこれからASIC開発を考えていければと思     う。
   ・今後、続きのトレーニングコースを開催してほしい。
   ・実際にツールを使用しながらやっていくのは分かり易くとても嬉しかった。
   ・演習問題などがあればもっと良かった。
   ・3日間密度の濃いセミナーで全て理解するのは難しかったけど面白かった。
   ・講師とスタッフの方々には大変お世話になりました。また、今後もよろしくお願いいたします。