FPGAトレーニングコース2013@広島工業大学
開催趣旨
本セミナーはFPGA回路開発時に必須である開発ツールの使い方を習得を中心に説明する実習形式の未経験者向けのセミナーです。セミナー終了後に独学で開発を進める事が出来る最低限の予備知識の習得を目指します。
FPGAの回路を開発するために必要な知識は①デジタル回路設計に関する知識と②FPGAへの実装の方法です。①に関しては書籍などにより習得する事が出来ますが、②に関しては良い習得方法がありません。そこで本セミナーでは②について習得することを目標としています。
以下のような方を想定しています。
- 今後実験装置を開発するためにFPGA技術の習得が必要な方
- FPGAに興味があり、どの様に開発するのか短期間で知りたい方
- デジタル回路の知識はあるがFPGA開発が未経験なので実装方法を短期間で知りたい方
使用するFPGAはXilinx社、使用HDLはVerilog-HDLです。
FPGAとは?
Field Prgrammable Gate Arrays (FPGA)はユーザーがプログラム可能な論理(デジタル)集積回路です。近年、放 射線検出器の読みだしシステムで多用されています。一つのFPGAに搭載できる回路規模は非常に大きくなっておりユー ザーが希望する信号処理の多くは1チップに搭載できるようになりました。例えば、CPUを組み込みLinux OSシステムを 動作させる事ができる程の回路規模を1チップに実装する事ができます。
概要
詳細
- 講師:内田智久(高エネルギー加速器研究機構)
- 予備知識:デジタル回路基礎知識を持っている事が望ましい(AND, OR, INV回路およびDフリップフロップの動作 を理解している程度)
- 実習で使用するFPGAはXilinx社Spartan3ANシリーズ、使用HDLはVerilog-HDL、開発ツールはXilinx社ISE 14.5 WebPACKです。
- 各自用意する物:
- Windows XP以降のWindows OSが動作しているノートPC
- Xilinx社奨励環境についてはこちらをご覧ください。
- Windows 8では部分的に正常に動作しないことが多いようなので可能であれば避けてください。もし使用する時は会場で問題が起きることがありますのでインストールファイルを削除せずにPC上に残したまま参加してください。
- MACを使用している方へ:以下の環境での動作は確認されていますが他の環境での動作確認は取れていませんので注意してください。
- デュアルブートでWindowsインストールした環境
- 仮想環境VMware Fusionを用いてWindowsをインストールした環境
- 演習時に使用する筆記具とノート
- Windows XP以降のWindows OSが動作しているノートPC
プログラム
- 1日目 9/12(木) 10:00-17:00
- 10:00-11:45 フロントエンド部とデジタル回路の特徴
- 11:45-13:00 お昼休み(75分)
- 13:00-14:00 組み合わせ回路入門
- 14:00-14:10 休憩(10分)
- 14:10-15:10 実習 Verilog-HDL記述I
- 15:10-15:20 休憩(10分)
- 15:20-16:00 実習 Xilinx社ISIMを用いた論理シミュレーションI
- 16:00-17:00 実習 Xilinx社ISE14を用いたFPGAへの実装
- 2日目 9/13(金) 10:00-17:00
- 10:00-11:00 順序回路入門
- 11:00-11:30 FPGAの構造
- 11:30-12:30 お昼休み(60分)
- 12:30-13:00 実習 Verilog-HDL記述II
- 13:00-13:30 実習 Xilinx社ISIMを用いた論理シミュレーションII
- 13:30-14:00 実習 Xilinx社ISE14を用いたFPGAへの実装
- 14:00-14:20 休憩(20分)
- 14:20-16:00 演習
- 16:00-17:00 DCMの実装方法: Coregeneratorの使い方
テキスト
閲覧するためには受講者用ID/パスワード入力が必要です(別途ご連絡いたします)。パスワードの有効期限は受講後約2週間です。ファイルのダウンロードは受講後にできるだけ早くお願いします。また資料の2次配布は禁止させていただきます。
- 0. はじめに
- 1. フロントエンド部とデジタル回路の特徴
- 2.1. 組み合わせ回路入門
- 2.2. 実習 Verilog-HDL記述
- 2.3. 実習 論理シミュレーション
- 2.4. 実習 FPGAへの実装
- 3.1. 順序回路入門
- 3.2. FPGAの動作原理
- 3.3. 実習 Verilog-HDL記述
- 3.4. 実習 論理シミュレーション
- 3.5. 実習 FPGAへの実装
- 4. 演習課題
- 5. 実習 DCMの実装
- 6. 付録
- 参考書など
- Web版 Verilog-HDL入門
- ピンリスト
- 実習ボード回路図
- 実習風景写真
アンケート
トレーニングコースは今後も継続する予定です。より良いものにするために是非お願いいたします。
アンケート結果(回答者数15/参加者数15名)
Q2. 説明は分かり易かったですか?(4択:とても分かり難い 0人、分かり難い 2人、分かり易い 6人、とても分かり易い 9人)
Q3. 質問(自由欄)
- 【質問】セミナー内で紹介されていたボードなどを使用する場合、初期設定(これこれこう言うICとポートを使っているから、ソフトウエア側ではこういう設定にしておくなど)を行っていくときに参考になる本やサイトなどがありましたら教えてください。
- 回答:購入したボードに必ずユーザーガイドなどの説明書が付いています。何もなく調べることはとても大変で現実的ではありません。もし付いていなかったら購入先に連絡して、参考UCFファイルかUCFを作製する事が出来る資料の提供をお願いしてください。
- 【質問】サクラエディタなどほかのエディタでコードを書いている人はどうやって書き込みなどの手順を行っているのか?
- 回答:Xilinx以外のツール開発メーカが販売するツールを使用します。多種多様なツールが販売されています。
- 回答:FPGAデータをを書き込む方法は幾つかありますので各FPGAのConfigurartion User Guideを参照して下さい。
- 【質問】中級編・上級編はあるのでしょうか。
- 回答:現在は開催していません。中級編について内容を検討している段階です。
Q4. 後輩に勧めたいと思いますか?(4択:まったく思わない 0人、思わない 0人、思う 8人、とても思う 7人)
- デジタル回路について興味を持ちました。
- 簡単なものでもいいからCPUの作成をしてみたいと思いました。
- ソフトウェアのプログラミングと違うところ
- とても分かりやすく有意義な講習会だった
- FPGA自体初めて触ったので興味深かったです。個人で使って遊んでみたいと思いました
- 私はこれまでFPGAを触ったことがありませんでした。そこで今回参加したのですが、FPGAがどのようなものであるか、またその仕組みを学ぶことができ非常に有意義でした。これまでも、AruduinoやRaspberryPiなどを使い、時々回路実験をしていましたが、今後はFPGAも組み合わせて色々作りたいと思います。
- 最初はどのような講義なのか具体的なイメージを持つことが難しかったのですが、受けてみて、大学の授業で受けた「論理回路」を利用して実際にプログラムを作成するといったものだと実感しました。ツールには様々な機能があり、着手するのにいつも抵抗があるのですが、今回講義を通して大容量のツールを利用することで、ツールへの愛着が湧きました。FPGAという名前は知っていたのですが、どのようなものなのか分からなかったので、今回の講義で理解することができ、良かったです。私が行おうとしている研究に直接関わることはないかもしれませんが、「情報分野」の視野を広げるという意味で、プラスになったと思います。
- FPGAを用いたモジュールを作成する予定で、Open-itのHPでトレーニングコースが開催されるという事で参加しました。
- ゼミの先生からの紹介があり、その中で未開拓の分野でもあったのでさんかしてみようと思った。
- 広島工業大学HPの参加募集ページをみて参加しました。
- DAQエレクトロニクスを利用しているが、FPGAデバイスの動作が不安定なため、トラブルシューティングを行えるようにするため、本講習会に参加することにした。他にDAQセミナー、DAQトレーニングコースを受講した。
- 先生に勧められて、参加しました。いつもとは違う経験をしたいと思い、受講したのですが、得られたものは多かったと思います。今回の講義で度々思ったのは、「面白さ」を感じることが重要だと思ったことです。大学生活は残り少ないのですが、情報分野の面白さを探求しつつ、卒業研究に取り組みたいと思います。
- 業務に関係があるかもしれないと思い、参加しました。
- Open-itのイベントで知った(先端エレクトロニクスDAQセミナー2013)
- DAQセミナーはKEKの広報から指導教員を通じてフォワードされて知った。
- 関東圏でセミナーを開催していただけると、うれしく思います。可能であれば、習熟度別のセミナーがあるとよいと思います。
- 今回の講義は本当にわかり易かったと思います。資料がとても見易く、理解が容易にできました。最低限の知識及び、豆知識など、様々なことを一度に知ることができて、大変有意義な機会になりました。
以上