FPGAトレーニングコース2017(Vivadoツール)@佐賀大学
開催趣旨
受講対象者として、FPGA回路開発未経験の学生を想定しています。特に、物理実験系に所属する(i.e. 必ずしも電気電子工学を専門としない)学生を受講対象としていますが、他の分野の学生や若手研究者、企業の方の参加も歓迎いたします。
本セミナー受講後は自分で設計した回路をFPGAへ実装して動かすことができるので、①の学習効果が向上する事も期待しています。
実習で使用するFPGAはXilinx社Artix-7シリーズ、使用HDLはVerilog-HDLです。
補足)テキストのみの配布について:テキストのみの配布は行っておりません。理由は本トレーニングコースのテキストは実習内容を説明するための利用を想定しており、テキストのみで学習することは想定していません。テキストのみ配布し誤解を招くことは主催者の意図に反しますので配布は行っておりません。
FPGAとは?
Field Prgrammable Gate Arrays (FPGA)はユーザーがプログラム可能な論理(デジタル)集積回路です。
近年、放射線検出器の読みだしシステムなどの物理実験で多用されています。一つのFPGAに搭載できる回路規模は非常に大きくなっておりユー ザーが希望する信号処理の多くを1チップに搭載できるようになりました。例えば、CPUを組み込みLinux OSシステムを 動作させる事ができる程の回路規模を1チップに実装する事ができます。
概要
- 対象:FPGAに興味のある学部生、大学院生、研究員、教員、技術職員、企業の方
- 日程:2017年9月19日(火)~9月20日(水)(2日間)、9:30-17:30
- 場所:佐賀大学 本庄キャンパス 理工1号館 中棟3階 314多目的演習室
- 本庄キャンパスへのアクセス キャンパスマップ(⑬の少し下にある中棟の3階右端が会場です)
- 募集人数:20人
- 使用言語:日本語
- 受講料:無料
- 申し込み受付期間: 2017年8月22日(火)から9月9日(土)まで
- 主催: 佐賀大学
- 共催: 九州大学、宮崎大学、長崎総合科学大学
- 後援: Open-It、高エネルギー加速器研究機構大学等連携支援事業
- 世話人:房安貴弘(佐賀大学)、東城順治(九州大学)、武田彩希(宮崎大学)、大山健(長崎総合科学大学)
*お問い合わせはfusayasu at cc.saga-u.ac.jp (at→@) までお願いします。
申し込みは締め切りました。
【注意】開発ツールはXilinx社Vivado 2017 WebPACKについてのみ解説します。
詳細
- 講師:房安貴弘 (佐賀大学)、内田智久 (KEK)
- 予備知識:下のテキストの内容を受講前に理解しておくこと
- 実習で使用するFPGAはXilinx社Artix-7シリーズ、使用HDLはVerilog-HDL、開発ツールはXilinx社Vivado 2017 WebPACKです。
- 実習で使用するFPGAが搭載されたボード(Digilent社Nexys4)は開催中貸し出しますので用意する必要ありません。
- 各自用意する物や事前準備:
- ノートPC
- 以下のVivado WebPackツールがインストールされているPCを用意できない場合は受講できません
- 予備PCなどは用意していません
- PCを用意せず参加した場合、聴講のみとなり実習ができなくなる事をご承知おきください
- Xilinx社Vivado WebPackツールがインストールされていること
- システム要件
- OS:Windows 7、Windows 8.1、Windows 10 64-bit版(32bit 版は不可)
- 必要搭載メモリ容量: 2GB(4GB以上を奨励します)
- Xilinx社の詳細な資料はこちら(Xilinx社のWebページ)
- MACを使用している方へ: 以下の環境での動作は確認されていますが他の環境での動作確認されていませんので注意してください。
- デュアルブートでWindowsインストールした環境
- 仮想環境VMware Fusionを用いてWindowsをインストールした環境
- 以下のVivado WebPackツールがインストールされているPCを用意できない場合は受講できません
- 演習時に使用する筆記具とノート
- 以下の資料を印刷して持参してください(受講前に読む必要ありません)。印刷物がないと画面を切り替えながら作業をすすることになりとても大変です。必ず印刷して持参してください。
- ノートPC
プログラム
- 1日目 9/19(火) 9:30-17:30
- 9:30-9:40 全体概要
- 9:40-10:30 予習内容の確認(50分)
- 10:30-11:00 【組み合わせ回路】 Verilog-HDL記述(30分)
- 11:00-11:30 【組み合わせ回路】 RTL解析(30分)
- 11:30-12:30 お昼休み(60分)
- 12:30-14:00 【組み合わせ回路】 Xilinx社Vivadoを用いた論理シミュレーション(80分)
- 14:00-14:15 休憩(15分)
- 14:15-15:15 【組み合わせ回路】 Xilinx社Vivadoを用いたFPGAへの実装(60分)
- 15:15-15:30 休憩(15分)
- 15:30-17:30 【組み合わせ回路】 設計演習C1(120分)
- 2日目 9/20(水) 9:30-17:30
- 9:30-10:00 【順序回路】 Verilog-HDL記述(30分)
- 10:00-10:30 【順序回路】 Xilinx社Vivadoを用いた論理シミュレーション(30分)
- 10:30-10:45 休憩(15分)
- 10:45-11:30 【順序回路】 Xilinx社Vivadoを用いたFPGAへの実装(45分)
- 11:30-12:30 お昼休み(60分)
- 12:30-13:30 【順序回路】 設計演習S1(60分)
- 13:30-14:00 階層構造設計(30分)
- 14:00-14:15 休憩(15分)
- 14:15-15:15 IPの使い方(60分)
- 15:15-15:30 休憩(15分)
- 15:30-17:30 設計演習(質疑応答、議論含む)(120分)
(最終コマは演習のため、16時頃に自由解散とする予定です。)
テキスト
- 0. はじめに
- 1. 予習内容の確認
- 2.1 【組み合わせ回路】 Verilog-HDL記述
- 2.2 【組み合わせ回路】 Vivadoを用いたHDL入力とRTL解析
- 2.3 【組み合わせ回路】 Vivadoを用いた論理シミュレーション
- 2.4 【組み合わせ回路】 Vivadoを用いたFPGAへの実装
- 3 【組み合わせ回路】 設計演習
- 4.1 【順序回路】 Verilog-HDL記述
- 4.2 【順序回路】 Vivadoを用いた論理シミュレーション
- 4.3 【順序回路】 Vivadoを用いたFPGAへの実装
- 5. 【順序回路】 設計演習
- 6. 階層構造設計
- 7. IPの使い方
- 8. 総合設計演習
- 9. 外部メモリからの起動(参考資料:講義では使用しません)
- 実習ボード回路図(Digilent社のページ)
- 実習ボード・リファレンスマニュアル(Digilent社のページ)
- 実習風景写真
アンケート
アンケート結果(回答者数15名/参加者数20名)
Q1. 講義全体の満足度
(4択:不満足 0人、普通 0人、満足 2人、大変満足 13人)
Q2. 説明は分かり易かったですか?
(4択:とても分かり難い 0人、分かり難い 0人、分かり易い 11人、とても分かり易い 4人)
Q3. 後輩に勧めたいと思いますか?
(4択:まったく思わない 0人、思わない 0人、思う 8人、とても思う 7人)
Q4. 興味を持ったこと:(自由欄)
- VHDLは、作成した経験があるが、Velilogは初めてプルグラムを組んだので、記述の違いについて学べたので参考になった。
- vivadoの使い方についてもどのような用途の時にどれを選べばいいかが分かったので、これから使用する際に使い勝手がよくなると思う。
- 全体にどれも興味深かったです。基礎から順にわかりやすく学習できました。今回の講座には含まれていませんでしたが、タイミング制約が満たされなかったときの対処に興味を持ちました。
- 簡単なもの(電卓やストップウォッチなど)の作成もできそうだなと思ったのでやってみたい。
- デジタル回路の設計について受講するまでどのようなことをするかイメージができていなかったのでとても良い経験になりました。研究で役立たせられるかはわかりませんが、仕組みを知ることができて大変楽しかったです。
- 一般的なマニュアルが膨大でありましたが、トレーニングコースに参加することで、VivadoによるHDLの記述および組み合わせ回路、順序回路のデバイス信号の生成の一連流れを把握することができ大変助かりました。
- FPGAが通常のプログラムによる処理とは異なり、同時処理することに興味を持ちました。リアルタイム処理は今後ますます社会で必要になると思われますので、今後何かの仕事に活かせていけたらと思いました。
- CPUの稼働のさせかた
- 無料版の開発環境にも関わらず豊富な機能が利用可能であること。
- ボードを使ってさらにFPGAの回路設計をしてみたいと思った。
- FPGAに触ったのは今回が初めてなので、全体的に興味深かった。
Q5. 本トレーニングコースに参加した経緯を教えてください(自由欄)
- Open-Itの他のコースに参加したことがあり、その際にたくさんのことを学べたので、FPGAコースにも参加したいと思って参加した。(同様の回答 他2名)
- VIVADOの使い方など、どこから手をつければ良いかがわからず、手をつけにくい状態でしたので、参加させていただきました。
- 研究室の教員から勧められた(8名)
- メーリングリストで知った(プラズマ・核融合学会、不明)(2名)
- Webページを見て
Q6. 本トレーニングコースに対するご意見?ご要望等(自由欄)
- 具体的に使い方の説明をしてくださったので、とてもよく理解できました。FPGA開発未経験者対象とありましたが、実際には少し触った経験のあるくらいの人間にとって、ちょうど良いレベルではないかと思いました。2日間でとても良い勉強になりました。
- 実際の計測器にどのように応用されているかの概要等を(補足資料などでもよいので)見られるとより物理系の学生としてはモチベーションが上がると思いました。
- 自分がこのような回路設計に疎いのもあるのですが、構文の意味が分からないところが多かったです。地道にこれから覚えていきたいと思います。
- 懇親会で様々な人とお話ができたのもとてもよかったです。幅広い思考を持って活動していこうと思えたので、これからもやるべきだと思います。いつか必要になるかもしれないという漠然とした考えで参加させていただきましたが、とても有意義に時間になりました。ありがとうございまいた。
- 懇親会でも先生方のFPGAのコメントや専門分野の異なる学生さんの研究での利用用途のお話が聞けて興味深かったです。OpenITの意図とは異なり、物理系でもなく社会人にも関わらず参加させていただきありがとうございました。
- 初めてFPGAで設計を行ったが、スライドなどが見やすく、理解しやすかった。
- FPGAに関して完全な初心者の私でも大変わかりやすい講習会でした。演習問題も多く、実際に試行錯誤しながらできたおかげで理解が深まりました。
- Xilinxの開発環境のスムーズな導入となりました。講義の内容とは異なる質問にも柔軟にご対応いただきまして理解を深めることができました。ありがとうございました。
- スライドに行う操作が明確に表現されており実習がスムーズに進行できました。説明も丁寧でわかりやすかったです。
- 近いうちにFPGAを使った検出器開発に関わる予定なので、今回のトレーニングを踏まえて、さらに進んだ内容のコースも今後あると良いと思った。
参加者学年・職
学部生 7名(B4:7名)、修士課程学生 7名(M1:5名、M2:2名)、博士課程学生 1名(D1:1名)、博士研究員 1名、大学教員 1名、大学技術職員 1名、会社員 2名
参加者所属機関
九州大学 7名、佐賀大学 4名、宮崎大学 2名、長崎総合科学大学 2名、東京大学 1名、京都大学 1名、鹿児島大学 1名、企業 2名、