先端エレクトロニクスDAQセミナー2019/ 総研大講義「計測と制御」
お知らせ
募集期間の延長に伴い、旅費支援希望の追加募集を行なっています。ご希望の方は申し込みしてください。(2019年7月4日 10:50)
旅費支援希望者の方へ結果をお伝えするメールを送りました。参加申し込み時に旅費希望したにもかかわらず結果通知メールを受け取っていない方は事務局まで連絡ください。(2019年7月3日 11:24)
旅費支援希望の申し込みありがとうございました。本日、応募者に通知・手続きの案内メールを送ります。(2019年7月3日10:50)
旅費支援希望者の申し込みを7/2までで一度締め切り、支援者を決定します。追加募集の可能性もありますが早めの申し込みをお願いします。(2019年7月1日 17:01)
参加申し込み受付開始しました!(2019年6月4日 09:00)
目的・趣旨
理学実験系修士課程学生を主な対象に実験・観測システムに用いられるエレクトロニクス技術の基礎を習得するためのセミナーです。主な対象を修士課程学生としていますが、どなたでも参加する事ができます。
高品質の実験・観測データを得るためには計測装置に関する知識が必要不可欠ですが、研究の専門化が進むことで専門外の計測装置技術について学ぶ機会が減っています。現在の実験・観測で用いられる装置には高度なエレクトロニクス技術が採用され、その技術は年々高度になっています。そこで、計測装置に用いられているエレクトニクス技術の基礎を習得する技術セミナーを企画しました。それぞれの専門分野の講師の講義により検出器(センサー)信号処理からASIC技術, FPGA技術, 計算機でのデータ処理までの基礎を5日間で学ぶことができる内容です。
エレクトロニクス技術に興味を持つ若手の方やこれから実験・観測を始める多くの方々の参加をお願いいたします。
昨年(2018年)のWebページはこちら
ASICとは
FPGAとは
概要
講義内容はエレクトロニクス技術について学んだことがない物理系修士課程学生を対象に行います。半導体物性など物理系学生が学部で学ぶ内容を既知としていますが、他の事は仮定していませんので他の専攻の方も問題なく受講可能です。
実験・観測対象が変わると計測システムも変わりますが、その骨格をなす基礎技術や概念は同じです。加速器科学・天文・生物など広い分野の方々にも違和感なく学んでいただける内容です。
本セミナーは総合研究大学院大学の公開講義「計測と制御」として開催します。
- 対象者:制限はありませんが、物理系学部生・大学院修士課程学生を想定した講義内容に設定しています。
- 募集人数:60人(先着順)
- 日程:2019年7月29日(月)~8月2日(金) (開始および終了時刻は時間割を参照してください)
- 場所:高エネルギー加速器研究機構 つくばキャンパス 3号館1F セミナーホール
- 言語:日本語
- 申込期間:6月3日から7月16日:定員に達した時点で募集終了します
- 参加費:無料
- 主催:Open-It、総合研究大学院大学
- 後援:KEK加速器科学総合支援事業、KEKエレクトロニクスシステムグループ
- 実行委員:池野正弘、潮田みよ子、庄子正剛、千代浩司、濱田英太郎、坂口将尊、田中真伸(KEKエレクトロニクスシステムグループ)、KEK大学院教育係
- お問合わせは事務局(osc-mgrs[アットマーク]ml.post.kek.jp)まで。件名に「DAQセミナー」を含めてください。
日程
- 7月 29日(月)9:15-17:00 : 開会挨拶、システム概要(ソフトウエアから見た)、ソフトウエア技術、アナログ準備、集合写真(受け付け開始8:45)
- 17:00- 懇親会(希望者のみ)
- 7月 30日(火)9:15-16:50 : アナログ回路基礎
- 7月 31日(水)9:15-16:50 : システム概要(ハードウエア)とセンサー・信号処理回路と測定限界、アナログデジタル変換、ASIC開発
- 8月 1日(木)9:15-16:50 : 環境耐性(電磁耐性と放射線耐性)とその強化手法、デジタル回路基礎
- 8月 2日(金)9:15-11:00:デジタル回路基礎、閉会挨拶
時間割はこちら(PDFファイル)
申し込み
注意事項を読み手続きを進めてください。
- 注意事項
- 参加資格:制限ありません。学生はもちろん社会人も参加できます。
- 講義内容は物理系学部生・大学院修士課程学生向けに構成されています。
- 総研大生の方への注意
- 履修申請に加えてこのページから申し込みが必要です。
- 参加費:無料
- 総研大単位取得希望者
- 本セミナーは総合研究大学院大学の公開講義「計測と制御」として開催しますので他大学での単位として認定される場合があります。
- 単位取得希望の方は事前に所属大学事務(学務課等)に総研大の公開講義の単位が認定されるか確認し、その後、所属大学を通じて特別聴講学生として履修申請を行ってください。
- 履修申請する場合でも本ページからの参加申し込みが必要です。
- 単位取得のためには全講義の受講と後日レポート提出を行い評価を受ける必要があります。
- 旅費支給
- 申込フォームの旅費支給希望欄「希望する」を選択して申し込みしてください。
- 共同利用支援システムからの旅費申請は指示されるまで行わないでください。
- 一定期間毎に以下を考慮して支給者を決め結果を通知します(最初の結果は7/3通知予定)
- 学部生に対しても旅費支給できます。
- 予算に限りがあるため、先着順かつ、学部生、大学院修士課程学生、その他の順に優先して支給し、予算上限に達した時点で募集終了します。
- 旅費はKEK旅費規定に従って支給されます。
- 規定についての詳細はKEKユーザーズオフィス(http://www2.kek.jp/usersoffice/)に問い合わせてください。
- 申込フォームの旅費支給希望欄「希望する」を選択して申し込みしてください。
- KEKつくばキャンパス宿舎:
- KEKつくばキャンパスの宿舎を利用する方は以下を読み各自申し込みをしてください。
- 首都圏から参加する方も利用できます。
- 宿舎についての情報は(http://www2.kek.jp/uskek/visiting/dormitory.html)をご覧ください
- KEK宿舎の手続き手順
- 開催期間中の無線LAN利用
- ゲスト用無線LANはKEK宿舎などKEK各施設内で利用できます。接続方法などは後日連絡します。
- 端末との相性により接続できない事もあるので注意してください。確実にネットワークに接続したい方は別途各自で用意してください。
- 接続方法の資料はこちら(ID入力必要)
- 懇親会
- 初日7/29(月)懇親会を会場と同じ建物内の3号館1階会議室で開催予定です。
- 参加費は学生1,000円、学生以外4,000円を予定しています。
- 参加を希望する方は申込時に「懇親会に参加する」を選択してください。
- 参加資格:制限ありません。学生はもちろん社会人も参加できます。
講義内容
【開会挨拶】
- 7月29日(月)9:15 - 9:20 高エネルギー加速器研究機構 理事 岡田安弘
【データ収集システム概要】
- 講義日:7月29日(月)
- 講師:長坂康史(広島工業大学 学長/Open-It)
- 概要:導入として物理実験計測で用いられる計測システムをコンピュータから見てソフトウエアを中心に概説する。
- 内容:
- データ収集システム概要(長坂)
- 実例をまじえたデータ収集システムの概観
- データ収集システムの役割
- データ収集システムの設計
- 現実世界におけるシステム開発に起因する制約
- 記録すべきもの
- 記録媒体、記録方法の選定
- ソフトウエア概要(長坂)
- データ収集システムの実装
- データ収集システム概要(長坂)
- 講義資料
- レポート課題(単位取得希望者用)
【ソフトウエア技術】
- 講義日:7月29日(月)
- 講師:長坂康史(広島工業大学 学長/Open-It)
- 概要:物理実験計測で用いられるソフトウエア技術を概説する。
- 内容:
- データ収集システムの設計(ソフトウェア工学)
- 開発プロセスモデル
- ソフトウェアの設計と実装
- ソフトウェアのテスト
- データ収集システム化技術1(オブジェクト指向・UML)
- オブジェクト指向技術
- 統一モデリング言語 UML
- データ収集システム化技術2(ネットワーク技術)
- 通信プロトコルの概要
- TCPの5つの機能
- コンピュータのアドレス
- データ収集システム化技術3(ネットワークプログラミング)
- ソケット通信の概要
- ネットワークプログラミング(クライアント)
- ネットワークプログラミング(サーバ)
- データ収集システムフレームワーク DAQ-Middleware の概要
- 講義資料
- データ収集システムの設計(ソフトウェア工学)
- データ収集システム化技術1(オブジェクト指向・UML)
- データ収集システム化技術2(ネットワーク技術)
- データ収集システム化技術3(ネットワークプログラミング)
- レポート課題(単位取得希望者用)
- データ収集システムの設計(ソフトウェア工学)
- 開発プロセスモデル
- ソフトウェアの設計と実装
- ソフトウェアのテスト
- データ収集システム化技術1(オブジェクト指向・UML)
- オブジェクト指向技術
- 統一モデリング言語 UML
- データ収集システム化技術2(ネットワーク技術)
- 通信プロトコルの概要
- TCPの5つの機能
- コンピュータのアドレス
- データ収集システム化技術3(ネットワークプログラミング)
- ソケット通信の概要
- ネットワークプログラミング(クライアント)
- ネットワークプログラミング(サーバ)
- データ収集システムフレームワーク DAQ-Middleware の概要
- データ収集システムの設計(ソフトウェア工学)
- データ収集システム化技術1(オブジェクト指向・UML)
- データ収集システム化技術2(ネットワーク技術)
- データ収集システム化技術3(ネットワークプログラミング)
【回路技術準備・アナログ回路基礎】
- 講義日:7月29日(月)および30日(火)
- 講師:房安貴弘(佐賀大学/Open-It)
- 概要:検出器やセンサーが出力するアナログ信号を処理する電子回路について概説する。
- 内容:
- 回路基礎知識準備(初歩的項目の復習)
- トランジスタの基礎
- MOSFETによる増幅回路
- オペアンプとコンパレータ
- 放射線検出器用回路
- 参考書
- 谷口研二、LSI設計のためのCMOSアナログ回路入門、CQ出版
- 講義資料(2019年度版に更新しました。2019.7.28 22:49)
- レポート課題(単位取得希望者用)
【システム概要(ハードウエア)・センサー信号処理】
- 講義日:7月31日(水)
- 講師: 田中真伸(KEK IPNS E-sys / 総研大/Open-It)
- 概要: 計測システムをハードウエア(センサー)から見て概説し、測定限界を決定するイントリンジックノイズについてセンサー信号処理の観点から簡単に説明する。
- 内容:
- システム概要
- センサーの動作
- 雑音
- 入力等価雑音とは
- 雑音と信号処理システムの関係
- 参考書
- V. Radeka, Low-Noise Techniques in Detectors,Annual Review of Nuclear and Particle Science,Vol. 38:217-277(1988),https://doi.org/10.1146/annurev.ns.38.120188.001245
- B.Razavi、アナログCMOS集積回路の設計(基礎編・応用編)、丸善
- ノイズとASIC開発 2018年度池田博一氏講義
- 講義ノート システム概要
- レポート課題(単位取得希望者用)
- 講義内で説明する。
【アナログ・デジタル変換技術】
- 講義日:7月31日(水)
- 講師: 宮原正也(KEK IPNS E-sys/総研大/Open-It)
- 概要: 現代の計測システムはコンピュータでデータ解析する為、検出器が出力するアナログ信号をデジタル信号へ変換する必要がある。本講義でアナログ信号をデジタル信号へ変換する回路技術を概説する。
- 内容:
- ADCの基本機能
- 量子化(ビット数、サンプリングレート、参照電圧等)
- サンプリング定理
- ADCの性能表現
- ADCの主要な変換方法
- 変換アーキテクチャの概要とトレンド
- 性能とアプリケーションの関係
- ADCの設計例
- 最近の研究紹介
- ADCの基本機能
- 参考書
- (外部リンク)EDN Japan, いまさら聞けないコンバータ入門(1)
- (外部リンク)EDN Japan, いまさら聞けないコンバータ入門(2)
- 講義資料
- レポート課題(単位取得希望者用)
【ASIC開発】
- 講義日:7月31日(水)
- 講師: 宮原正也(KEK IPNS E-sys/総研大/Open-It)
- 概要: ASICとは何か、開発手法および開発事例を通してその利点とリスクについて概説する
- 内容:
- ASICとは
- ASIC開発の流れ
- ASICの開発事例紹介
- ASIC開発における不具合対策事例
- 参考書
- 講義資料
【環境耐性(電磁耐性と放射線耐性)とその強化手法】
- 講義日:8月1日(木)
- 講師: 田中真伸(KEK IPNS E-sys / 総研大/Open-It)
- 概要: センサー評価、組み上げ時に問題となる電磁干渉(通常外来雑音などと呼ばれているもの)および実際の実験環境において問題となる放射線耐性が引き起こす問題を解決するための基礎知識について概説する。
- 内容:
- Electro Magnetic Conpatibilityとは
- EMC測定
- システムシールド
- ケーブリング・インターコネクト
- 一点グランドと多点グランド
- 放射線耐性の基礎
- 強化手法
- 参考書
- http://www-esys.kek.jp/r-and-d/emc/emc-related-references
- 講義資料
- レポート課題(単位取得希望者用)
【デジタル技術基礎】
- 講義日:8月1日(木)および2日(金)
- 講師: 田中真伸(Open-It / KEKエレクトロニクスシステムグループ)
- 概要: 微細化技術の発展により電子回路の集積化が進んだ結果、計測システム内でデジタル回路が使われる範囲は拡大している。デジタル回路とデータ伝送の基礎を概説する。
- 内容:
- デジタル技術概要
- 計測システムとデジタル技術
- 実装技術
- デジタル回路入門
- デジタル・データ通信
- FPGA入門
- 参考書(事前に読む必要はありませんが、予習するのであれば読みやすいと感じる書籍を選んで読んでください)
- デジタル技術
- レポート課題(単位取得希望者用)
【閉会挨拶】
- 8月2日(金)10:50 - 11:00 総合研究大学院大学 高エネルギー加速器科学研究科 研究科長(KEK物質構造科学研究所・教授)神山 崇
単位取得希望者の方へ
出欠確認について
受講姿勢評価のために毎日出欠を確認します。会場で出席簿に氏名を記載するよう通知しますので氏名を記載してください。
レポート提出について
3つの課題を選択してレポートを提出してください。 (課題内容は各講義終了後にWebに掲載します、閲覧には別途連絡するIDが必要です)。
各講義毎に課題があります。選択した課題のみ提出してください。課題が複数の小問で構成されている場合は全ての小問を提出して一つの課題です。課題毎にファイルを分けてください。
以下の提出先へメールで送ってください。
- 宛先: osc-mgrs[アットマーク]ml.post.kek.jp
- 件名: 計測と制御レポート
- 提出期限: 8月19日(月)
不明な点などがある場合も上記宛先まで問い合わせてください。
補足: 受講姿勢と課題点の比率を2:3として評価します。
アンケート
参加者の皆さん下のアンケートにご協力ください。
アンケートはこちらから(IDが必要です)
その他