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加速器科学における先端エレクトロニクス集中セミナー

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ASICとは

Application Specific Integrated Circuit(ASIC)は特定用途集積回路の名前のとおりユーザーの仕様に応じて製作される集積回路で、放射線検出器の読みだしシステムで多用されています。以前は開発コストが高かったのですが、現在ではシャトルサービスと呼ばれる方法により安価に試作ができるようになってきています。現在では通常の電子回路基板を製作するくらいの金額で試作できるものもあります。

 

FPGAとは

Field Prgrammable Gate Arrays (FPGA)はユーザーがプログラム可能な論理(デジタル)集積回路です。近年、放射線検出器の読みだしシステムで多用されています。一つのFPGAに搭載できる回路規模は非常に大きくなっておりユーザーが希望する信号処理の多くは1チップに搭載できるようになりました。例えば、CPUを組み込みLinux OSシステムを動作させる事ができる程の回路規模を1チップに実装する事ができます。

 

概要

近年特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)やFPGA(Field Programmable Gate Arrays)は今や先端の加速器制御等の外部機器制御及び測定器システム開発には欠かせないものとなっており、皆さんもその名前を耳にすることがあると思います。これらの開発には関連する多数の技術が含まれており、この状況下では使う為最低限何を知っていれば良いのか、何を準備すれば良いのかを知る為に膨大な時間が掛かってしまいます。この様な問題を軽減しASIC,FPGAを実験に取り入れることが出来るよう本セミナーを企画しました。またこのセミナーの後に開催されるいくつかの実習コースを受けることでこれらの技術を身につけることができます。

  • 対象者:大学院学生(学部4年生可)、若手研究者
  • 募集人数:30人程度 

    受講決定者には後ほどメールで情報をお知らせいたします。

     

  • 日程:2009年7月27日(月)~7月31日(金)10:00-16:00 (ただし初日と最終日は時間の予定が変更になる可能性があります)
  • 場所:高エネルギー加速器研究機構(KEK)先端計測実験棟 多目的室
  • 申込方法:申込ページで必要事項を記入し申し込んでください。
  • 申込:6月8日(開始)~7月10日(締切)(宿舎が必要な方は早めに申し込んでください)
  • 旅費:若干名サポート可能です。
  • 主催:KEK IPNS エレクトロニクスシステムグループ
  • 後援:加速科学総合支援事業、KEK測定器開発室
  • 講師:新井康夫(KEK)、池田博一(JAXA)、内田智久(KEK)、谷口敬(KEK)、田中真伸(KEK)
  • お問合わせはこちらまで

日程

  1. 7月27日:初心者用アナログASICセミナー(1日)講師 田中真伸(KEK)
  2. 7月28日:アナログ信号処理入門(1日)講師 谷口敬(KEK)
  3. 7月29日:CMOS ASIC入門(1日)講師 新井康夫(KEK)
  4. 7月30日:FPGA、デジタル回路入門(1日) 講師 内田智久(KEK)
  5. 7月31日:ASIC製作の実際について 座長 池田博一(JAXA)

 

目的

このセミナーにおいてはアナログ/デジタル回路設計、ノイズ、半導体プロセス、FPGA等の知識になじんでいただき、開発にあたって必要となる基礎知識の習得を目指します。

 

受講前に復習して欲しい事

限られた時間内に効率良く且活発な議論をするために下記の点に注意しセミナーに参加してください。

  • ただ漠然と知識を習得するというのでなく、このセミナーを受けてその知識を何に生かしたいかの目的を明確に持つこと

 

内容 

1日目(7/27):初心者用アナログASICセミナー

予備知識:電圧、電流、電圧源、電流源、抵抗、コンデンサなどの言葉の意味が理解できること。オペアンプの動作が理解できていることが望ましい。

 

期待される効果:2日目以降の講義の理解に助けになる情報をあらかじめ得ることができます。

 

内容:アナログデジタル技術が計測機器のどの部分に使用されているかを短時間で話した後、アナログデジタル回路の構成等についてトップダウン方式で見ていきます。始めにシステム全体機能ブロックで構成し、そののち機能ブロックを細分化し最終的にはトランジスタまで見ていきます。ただしこの講義ではトランジスタの詳細な動作について解説はしません。

 

2日目(7/28):アナログ信号処理入門

予備知識:電圧、電流、電圧源、電流源、抵抗、コンデンサなどの言葉の意味が理解できること。

 

期待される効果:

 

内容:本講義では難しいと考えられているトランジスターの動作を、水ポンプのモデルを使用して簡単に説明します。いわゆるパッシブ素子(抵抗やキャパシター、インダクターなど)を含めて動作の理解を促進し、簡単な回路であればすぐにでもディスクリート素子を使用して設計、製作できるようになれる事を目指します。またノイズ理論の簡単な紹介と実際の計算法、そして実験との比較を行おうと思います。

 

3日目(7/29):CMOS ASIC入門

予備知識:学部で習う程度の電気回路、半導体物理の知識

 

期待される効果:現在自分の身の回りにあるゲーム器、携帯等の半導体機器が、どのような原理で動いているのかが少しはわかるようになると思います。また、半導体を使った放射線検出器の仕組みに触れることが出来ます。

 

内容:現在のLSIの90%以上を占めるCMOS LSIプロセスの回路設計、レイアウト設計について触れます。基本的なトランジスター特性の紹介から出発し、どのようにメモリー、プロセッサー、ADC等が作られていくのかを出来るだけ紹介します。またこれらの知識と合わせSOI(Silicon-On-Insulator)という最新の技術を使って、放射線センサーと読み出しエレクトロニクスを一体化させたピクセル検出器についても触れます。

 

4日目(7/30):FPGA、デジタル回路入門

予備知識:以下の事を理解している事。 2進/16進数表現 AND/OR/NOTゲート動作、 Dフリップ・フロップ動作

 

期待される効果:デジタル回路の特徴の理解。 簡単な回路動作が理解できるようになる。 回路学習を自習できるようになる。

 

内容:デジタル信号はアナログ信号と異なり一つの信号線で2値しか表現できません。しかしデジタル回路の長所により様々な電気製品がデジタル化されています。何故デジタル化されるのか、そこから講義を始めます。その後にデジタル回路の動作解説を感覚的に説明します。教科書などに書かれている真理値表を示すだけで動作解説を終わらせず、ゲート動作の気持ちを伝えることを目指します。

 

5日目(7/31):ASIC製作の実際について

予備知識:4日目までの講義を聴いていること

 

期待される効果:ASIC製作の実際がよりわかりやすく且実行に移し易いものになる

 

内容:過去のASIC製作経験者(学生、スタッフ等)に話をしてもらいながら、過去の失敗談も含め話をおこないそれに対し講師がコメント等をいれ実際にどうすればよかったか、皆さんがこれからASICを製作するにあたって注意すべき点、有用な情報等を明らかにしていきます。

 

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