Belle-Aerogel-RICH
- 西田昌平 (代表:IPNS KEK)
- 角野秀一 (首都大)
- 岩田修一 (首都大)
- 吉田圭佑 (首都大)
- 川崎健夫 (北里大)
- 内田智久 (IPNS KEK)
BelleII 実験用 Aerogel RICH 検出器の読み出し系の開発。Aerogel RICH に用いる光検出器HAPDからの信号は、最終的にはBelleIIの方式に従って読み出されるが、光検出器の試験やプロトタイプ製作段階では単独で読み出しを行える必要がある。このため、SiTCP を用いて、プロトタイプ用の HAPD 読み出し回路を開発する。
BelleII の Aerogel RICH では、エアロゲル輻射体から出るチェレンコフ光を 420個の 144ch HAPD を用いて検出し、光子の位置からチェレンコフリングを再構成して粒子識別を行う。HAPD からの信号は、独自に開発した SAシリーズと呼ばれる ASIC を用いてデジタル信号に変換され、FPGA を介して読み出される。読み出しには BelleII 実験共通の転送方式である Belle2Link を用いて読み出される。
しかし、光検出器 HAPD やその読み出し系の開発段階では単独で読み出しを行う必要がある。このため、HAPD 用フロントエンド回路では、コネクタ部分に SiTCP を搭載したサブボードを設置することにより、デジタル信号の読み出しおよび ASIC のパラメータ設定を行うことができるようになっている。
また、Aerogel RICH では 1680 個の ASIC を用いるが、これをテストするためのボードを開発している。これは、FPGAを搭載したメインボードに6枚のサブボードが装着できるようになっており、各サブボードに ASIC を取り付けられるソケットが乗っている。このボードも SiTCP を用いてデジタル信号の読み出しおよび ASIC のパラメータ設定を行うことができるようになっており、同時に 6 つの ASIC の検査を行うことができる。
- S. Nishida et al., "Development of the readout ASIC for the 144ch HAPD for Aerogel RICH," Nucl. Instrum. Meth. A623 (2010) 504-506. doi 10.1016/j.nima.2010.03.051
- 「Belle II実験用新型粒子識別装置Aerogel RICHの開発」岩田修一(首都大):2010年度修士論文
- 「Belle II実験Aerogel-RICHにおける読み出しシステムの開発」高垣英幸(首都大):2011年度修士論文
- 「Belle II実験のエンドキャップ粒子識別装置用光検出器とその信号読み出しシステムの開発」坂下嘉徳(首都大):2012年度修士論文
- 「Belle II 実験用粒子識別装置(A-RICH)で使用される光検出器と読み出しASICの性能評価」吉田圭佑(首都大):2014年度修士論文