IACT-PMT-readout
- 窪 秀利 (代表:京都大学)
- 野崎 誠也(京都大学)
- 岡 知彦(京都大学)
- 郡司 修一(山形大学)
- 中森 健之(山形大学)
- 齋藤 隆之(東京大学)
- 石尾 一馬(東京大学)
- 田中 真伸(IPNS KEK)
- 池野 正弘(IPNS KEK)
- 内田 智久(IPNS KEK)
- 青野 正裕(京都大学)卒業
- 萩原 亮太(山形大学)卒業
- 土屋 優悟(京都大学)卒業
- 今野 裕介(京都大学)卒業
- 増田 周(京都大学) 卒業
- 谷川 俊介(京都大学)卒業
次世代ガンマ線天文台 CTA(Cherenkov Telescope Array)計画のために開発したPMTの波形サンプリング回路。望遠鏡の主焦点面に取り付けられたPMTの出力波形をPSI製のDRS4チップとADCを用いることでGHzでサンプリングし、KEKで開発されたSiTCPを用いてGbit Ethernetでデータ転送を行う。それらはFPGAによってコントロールされる。
PMTからの波形をSCA(Switched Capacitor Array)のASICであるDRS4を用いて最大5GHzのスピードでサンプリングできる。DRS4にデータをためることでdigitizeは比較的低速(30MHz程度)で行うことができ、この基板には12bit,65MHzのADCを採用している。また、別途プリアンプからの信号をDRS4に導くため後述するメインアンプも開発した。この基板では同時に最大7本のPMTからの波形をサンプリングでき、それらのデータは全てKEKで開発されたSiTCPプロトコルを用いてGbit Ethernetで転送される。DRS4,ADC等のコントロールやデータ転送は全てFPGAによってコントロールされる。
メインアンプ: メインアンプはPMT+プリアンプからの信号を増幅するメインアンプで、DRS4読み出し回路に直結する。2012年に作られたVer.3までは、独立した 基板として回路を製作したが、Ver.4以降からはマザーボードに吸収された。メインアンプVer.4の主な機能は、信号をHIGH_GAIN、LOW_GAIN、TRIGGERの3つに分岐する事であり、低いエネルギーレンジの信号をHIGH_GAINで10倍、高いエネルギーレンジの信号をLOW_GAINで1/3倍にしていた。それにより5000倍のダイナミックレンジを確保することを実現していた。HIGH_GAIN、LOW_GAINに使用しているICのBandwidthはそれぞれ2.3GHz、750MHzであり、全体の消費電力は470mW程度(電源:±3.3V)である。使用しているICはADA4927(2つ)、ADA4950(2つ) の4つである(回路図参照)。また2013年にはプリアンプ部が大きく変更された事から、メインアンプVer.5の開発が行われている。現在のプリアンプではLowGainとHighGainの2系統の信号が出力されるようになったために、メインアンプの役割はDRS4チップのバッファリング機能とトリガー信号の生成に特化された。バッファリング機能を強化するため、ADA4927(3つ)とADA4950(2つ)の5つのICで回路を構成する様にデザインされている。マザーボード Ver.4以降は、帯域改善のため、ADA4950の使用を止めて、全てADA4927を使用している。
- Ver.1(マザーボード)2010年9月16日
- Ver.2(マザーボード)2011年3月28日
- DRS4チップ数を8個に(High gainとLow gainの2系統×4chカスケード)。
- トリガー用メザニンの仕様変更に伴い、メザニンとのコネクタを追加
- バックプレーンからの電源供給用コネクタを追加
- 高圧コネクタを削除
- Ver.3 2011年11月18日
- メザニンのメインアンプをマザーボードに吸収
- Virtex-4をSpartan-6に変更(低コスト化)
- 基板寸法を小さく
- Ver.4 2013年12月16日
- PMT信号入力部コネクタ変更(シングルエンドを差動入力に)
- 中口径望遠鏡(MST)搭載予定読み出し基板との共通化(基板サイズ幅、周辺基板との接続変更、トリガーメザニン取り付けを裏面に移動)
- バックプレーン上の電源供給系(DC/DCコンバータ)を吸収し、入力電源を12Vから24Vに変更
- メインアンプを全てADA4927に(高帯域化)
- Config PROM XCF32PをM25P32に
- Ver.5 2014年12月2日 CTA-LST望遠鏡 1号機搭載用
- PHY DP83865ディスコン予定リストに入ったため、LAN8810iに変更
- ADC AD9222をAD9637に変更(低消費電力化)
- DRS4 RESETn端子プルダウンを削除
- メインアンプのADA4927を1素子パッケージから2素子パッケージにして、配線長を短く
- 1.2Vシリーズレギュレータをスイッチングに(低消費電力化)
- 内層の配線層、ベタ層は対称的に配置
- レギュレータ周り、デバイス裏側のレジストを除去し、GNDベタを露出させ、放熱効率を上げる
- DRS4 PLLフィルタ時定数修正 2015年5月21日
- Ver.6を経てVer.7 2017年1月12日 CTA-LST望遠鏡 2,3,4号機搭載用
- サイン波生成回路を追加
- 温湿度モニター回路を追加
- DC電圧モニター回路を追加
- 24Vパスコンをサイズの小さいものに変更
- Level1トリガをFPGAを通さずバイパスするように変更
- アルミフレーム取り付け用穴の位置を変更
読み出し回路(マザーボード)ver.1
メインアンプ・カード(マザーボードVer.3以降は、マザーボードに吸収)
読み出し回路ver.2
読み出し回路ver.3
読み出し回路ver.4(左:表、右:裏)
読み出し回路ver.5(左:表、右:裏)
読み出し回路ver.7(左:表、右:裏)
回路系ブロック図
- 回路図、基板図(Open-Itメンバのみアクセス可)
- 青野正裕,窪秀利,郡司修一,榎本良治, 奥村曉,片桐秀明,株木重人,田島宏康, 田中真伸,手嶋政廣 ,中森健之,萩原亮太, 山岡和貴, R. Paoletti J 他 CTA-Japan Consortium , 池野正弘 、内田智久、"CTA報告6:CTA読出し回路の開発", 日本物理学会, 2010年秋季大会, 講演スライド
- 萩原亮太、郡司修一、青野正裕,粟根悠介、梅原克典、榎本良治, 大岡秀行、奥村曉,折戸玲子、片桐秀明,株木重人,窪秀利、今野裕介、佐々木美佳、渋谷明神、田島宏康, 田中真伸,手嶋政廣 ,中森健之,日高直哉、米谷光生 他 CTA-Japan Consortium , 池野正弘 、内田智久、"CTA報告25:CTA大口径望遠鏡読出し回路の開発", 日本物理学会, 2011年秋季大会, 講演スライド
- 粟根悠介,青野正裕,梅原克典,榎本良治,大岡秀行,奥村曉,折戸玲子,片桐秀明,株木重人,窪秀利,郡司修一,今野裕介,佐々木美香,渋谷明神,田島宏康,田中真伸,手嶋政廣,中森健之,萩原亮太,日高直哉,米谷光生,他 CTA-Japan Consortium,池野正弘,内田智久,他 オープンソースコンソーシアム, "CTA計画に向けたアナログメモリによるPMT波形のGHzサンプリング回路の開発II", 日本物理学会, 2011年秋季大会, 講演スライド
- 中森健之, 他 CTA-JAPAN consortium, Open-It consortium, R. Paoletti, M. Bitossi, "CTA大口径望遠鏡読み出し回路の開発(1)", 日本天文学会, 2011年秋季大会, 講演スライド
- 萩原亮太、郡司修一、青野正裕,粟根悠介、梅原克典、榎本良治, 大岡秀行、奥村曉,折戸玲子、片桐秀明,株木重人,窪秀利、今野裕介、佐々木美佳、渋谷明神、田島宏康, 田中真伸,手嶋政廣 ,中森健之,日高直哉、米谷光生 他 CTA-Japan Consortium , 池野正弘 、内田智久、"CTA報告35:CTA大口径望遠鏡読出し回路の開発", 日本物理学会, 2012年春季大会, 講演スライド
- 今野裕介,青野正裕,粟根悠介,梅原克典,榎本良治,大岡秀行,奥村曉,折戸玲子,片桐秀明,株木重人,窪秀利,郡司修一,佐々木美佳,渋谷明神,田島宏康,田中真伸,手嶋政廣,中森健之,萩原亮太,日高直哉,米谷光生,他 CTA-Japan consortium,池野正弘,内田智久,他 オープンソースコンソーシアム(Open-It),"CTA大口径望遠鏡読み出し回路の開発(2)", 日本天文学会, 2012年春季大会, 講演スライド
- 今野裕介,青野正裕,粟根悠介,梅原克典,榎本良治,大岡秀行,奥村曉,折戸玲子,片桐秀明,株木重人,窪秀利,郡司修一,佐々木美佳,渋谷明神,田島宏康,田中真伸,手嶋政廣,中森健之,萩原亮太,日高直哉,米谷光生,他 CTA-Japan consortium,池野正弘,内田智久,他 オープンソースコンソーシアム(Open-It),"CTA大口径望遠鏡計画に向けたアナログメモリによるPMT波形のGHzサンプリング回路の開発III", 日本物理学会, 2012年春季大会, 講演スライド
- 萩原亮太、郡司修一、粟根悠介、池野正弘、上野遙、内田智久、梅原克典、大岡秀行、折戸玲子、片桐秀明,株木重人,岸本哲朗、窪秀利、今野裕介、小山志勇、田島宏康, 田中真伸,手嶋政廣 ,中森健之,畑中謙一郎、山本常夏 他 CTA-Japan Consortium ,"CTA報告44:CTA大口径望遠鏡読出し回路の開発", 日本物理学会, 2012年秋季大会, 講演スライド
- 今野裕介,粟根悠介,池野正弘,上野遥,内田智久, 梅原克典,大岡秀行,折戸玲子,片桐秀明,株木重人,岸本哲朗,窪秀利,郡司修一,小山志勇,田中真伸,手嶋政廣,中森健之,萩原亮太,畑中謙一郎,山本常夏,他 CTA-Japan Consortium, "CTA大口径望遠鏡計画に向けたアナログメモリによるPMT波形のGHzサンプリング回路の開発IV", 日本物理学会, 2012年秋季大会, 講演スライド
- 畑中謙一郎, 粟根悠介, 大岡秀行, 折戸玲子, 岸本哲朗, 窪秀利, 郡司修一, 今野裕介, 手嶋政廣, 中森健之, 萩原亮太, 山本常夏, 他CTA-Japan Consortium, 池野正弘, 内田智久, 田中真伸, 他Open-It, "CTA報告55:CTA大口径望遠鏡読み出し回路の開発", 日本物理学会, 2013年春季大会, 講演スライド
- 土屋優悟,猪目祐介,大岡秀行,折戸玲子,岸本哲朗,窪秀利,郡司修一,今野裕介,鈴木ちひろ,手嶋政廣,中森健之,畑中謙一郎,増田周,山本常夏,他CTA-Japan Consortium,池野正弘,内田智久,田中真伸,他Open-It, "CTA報告61:CTA大口径望遠鏡読み出し回路の開発", 日本物理学会, 2013年秋季大会, 講演スライド
- 中森健之,畑中謙一郎,今野裕介,土屋優悟,窪秀利,鈴木ちひろ,郡司修一,猪目祐介,大岡秀行,折戸玲子,齋藤隆之,手嶋政廣,増田周,山本常夏 他 CTA-Japan Consortium,池野正弘,内田智久,田中真伸,他 オープンソースコンソーシアム(Open-It), "CTA報告70:CTA大口径望遠鏡読み出し回路・初号機搭載モデルの開発", 日本物理学会, 2014年春季大会, 講演スライド
- 土屋優悟,窪秀利,今野裕介,齋藤隆之,畑中謙一郎,増田周,郡司修一,中森健之,大岡秀行,折戸玲子,手嶋政廣,中嶋大輔,山本常夏,他 CTA-Japan Consortium,池野正弘,内田智久,田中真伸,他 オープンソースコンソーシアム, "CTA 報告 81:CTA大口径望遠鏡初号機搭載読み出し回路の開発", 日本物理学会, 2014年秋季大会, 講演スライド
- 増田周,窪秀利,齋藤隆之,今野裕介,土屋優悟,畑中謙一郎,手嶋政廣,石尾一馬,大岡秀行,花畑義隆,林田将明,中嶋大輔,片桐秀明,折戸玲子,郡司修一,中森健之,山本常夏,田中真伸,他 CTA-Japan Consortium,池野正弘,内田智久 "CTA 報告91:CTA大口径望遠鏡初号機搭載読み出し回路の開発", 日本物理学会, 2015年春季大会, 講演スライド
- 武田淳希, 中森健之, 郡司修一(山形大), 窪秀利, 齋藤隆之, 増田周,今野裕介, 畑中謙一郎, 谷川俊介(京都大), 石尾一馬, 大岡秀行, 中嶋大輔, Daniela Hadasch, 林田将明, Daniel Mazin(東大宇宙線研), 手嶋政廣(東大宇宙線研, Max-Planck-Inst. fuer Phys.), 折戸玲子(徳島大), 片桐秀明(茨城大), 田中真伸(KEK 素核研), 山本常夏(甲南大), 他CTA-Japan Consortium, 池野正弘, 内田智(Open-It), "CTA大口径望遠鏡初号機搭載読み出し回路の開発", 日本天文学会, 2015年9月, 講演スライド
- 谷川俊介, 窪秀利, 齋藤隆之, 今野裕介, 畑中謙一郎, 増田周, 武田淳希, 中森健之, 郡司修一, 石尾一馬, 大岡秀行, 中嶋大輔, Daniela Hadasch, 林田将明, Daniel Mazin, 手嶋政廣, 折戸玲子, 片桐秀明, 山本常夏, 田中真伸, 他CTA-Japan Consortium, 池野正弘, 内田智久, "CTA報告99: CTA大口径望遠鏡初号機搭載読み出し回路の開発", 日本物理学会, 2015年9月, 講演スライド
- 野崎誠也, 野崎誠也,石尾一馬, 猪目祐介, 大岡秀行, 奥村曉, 折戸玲子, 片桐秀明, 岸田柊, 窪秀利,櫛田淳子, 郡司修一, 小山志勇, 今野裕介,齋藤隆之,高橋光成, 武田淳希, 田中真伸, 谷川俊介,辻本晋平, 手嶋政廣, 寺田幸功, 友野弥生, 中嶋大輔, 中森健之, 永吉勤 ,西嶋恭司,林田将明,馬場彩,増田周,山本常夏,吉田龍生,Dang Viet Tan,Daniela Hadasch,Daniel Mazin,他CTA-Japan consortium,池野正弘,内田智久, "CTA報告112: CTA大口径望遠鏡初号機用カメラ試験", 日本物理学会, 2016年9月, 講演スライド
- 野崎誠也, 窪秀利, 今野裕介, 齋藤隆之, 谷川俊介, 増田周, 石尾一馬, 大岡秀行, 櫻井駿介, 高橋光成, 手嶋政廣, 中嶋大輔, 林田将明, Daniela Hadasch, Daniel Mazin, 猪目祐介, 岸田柊, 山本常夏, 奥村曉, 折戸玲子, 片桐秀明, 吉田龍生, Dang Viet Tan, 木村颯一朗, 櫛田淳子, 辻本晋平, 友野弥生, 西嶋恭司, 郡司修一, 中森健之, 武田淳希, 小山志勇, 田中真伸, 寺田幸功, 永吉勤, 西山楽, 馬場彩, 他CTA-Japan consortium, 池野正弘,内田智久, "CTA大口径望遠鏡初号機用カメラの試験状況と2号機以降用読み出し回路の開発", 日本天文学会, 2017年3月, 講演スライド
- 齋藤隆之, 大岡秀行, 岡崎奈緒, 折戸玲子, 片桐秀明, 窪秀利, 郡司修一,今野裕介, 櫻井駿介, 武田淳希, 田中真伸, 谷川俊介, 手嶋政廣, 中嶋大輔, 中森健之, 野崎誠也, 増田周, 山本常夏, Daniela Hadasch, Daniel Mazin, 他 CTA-Japan consortium, 池野正弘, 内田智久, "CTA報告120: CTA大口径望遠鏡2号機以降の読み出し回路開発とDRS4チップのタイミング較正", 日本物理学会, 2017年3月, 講演スライド
- 2011年度 修士論文 京都大学 青野正裕 「次世代大気チェレンコフ望遠鏡計画CTAに向けた光電子増倍管の高速波形サンプリング回路の開発」
- 2011年度 修士論文 茨城大学 佐々木美佳「次世代ガンマ線天文台CTAのカメラに用いるアナログメモリDRS4チップの特性評価」
- 2012年度 修士論文 京都大学 今野裕介 「次世代ガンマ線天文台CTAのためのアナログメモリDRS4を用いた高速波形サンプリング回路の改良」
- 2012年度 修士論文 山形大学 萩原亮太 「Cherenkov Telescope Array計画実現に向けた回路開発・評価」
- 2013年度 修士論文 京都大学 畑中謙一郎「CTA計画大口径望遠鏡初号機搭載版PMT波形信号GHzサンプリング回路の開発」
- 2014年度 修士論文 京都大学 土屋優悟「次世代ガンマ線天文台CTA大口径望遠鏡初号機搭載に向けたGHz波形サンプリング回路の性能評価」
- 2014年度 修士論文 京都大学 増田周「シミュレーションによる次世代ガンマ線天文台CTA大口径望遠鏡のハードウェア仕様の検証」
- 2016年度 修士論文 京都大学 谷川俊介「次世代ガンマ線天文台CTA大口径望遠鏡初号機搭載用GHz波形サンプリング回路の性能評価」
- 2017年度 修士論文 京都大学 野崎誠也 「次世代ガンマ線天文台CTA大口径望遠鏡用GHzサンプリング回路の性能評価」
- CTA-Japan実験グループ
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