Gb-SiTCP&VME
- 佐藤節夫 (代表: IMSS KEK)
- 内田智久 (IPNS KEK)
中性子利用に於いて、素核研開発の100Mbit-SiTCPを利用したNEUNETシステムが大成功を収め、中性子He3ガス検出器や中性子シンチレータ検出器での測定が大規模に行われるようになった。しかし、これらの検出器は低カウントレートであり、基本的に1次元検出器である。J-PARCの高出力化が進むにつれて、高カウントレートで位置分解能が良い位置2次元検出器の開発が求められている。
本プロジェクトではSiTCPを利用して、物理実験に便利なシステムを構築するものである。SiTCPはGbit、100MBaseともに同じライブラリーから使用できる便利な機能である。いろいろな使用例を示したい。
主に開発しようとしている中性子位置2次元検出器システムは、1mm程度の位置分解能を持ち、数百kcpsの計数率に耐える。2次元検出器でデータ量が増えるので、1Gbit-SiTCPを利用して計数率が下がらないようにする。
さらに、古い測定機器がVME規格で多数作られている。これらの機器を簡単なプログラムでネットワークから制御できるようになった。HV機能も付け加えることができた。
1Gbit-SiTCPを使用するために、本当に高速データ転送が可能かをテストした簡単なプログラムを開発したので、他の同様なことを考えておられる方の参考に提供する。(株)Bee Beans Technologiesが販売しているSOY-GbE基板用のvhdlプログラムである。ネットワークから制御するPC側のプログラムはLabVIEWで書いているが、標準のTCP/IP関数を使用しているので、他の言語への移植が容易である。その他に、KEK放射光実験用に1ns分解能のTDCを開発したので、参照されたい。
ネットワークからVME制御とHV機能を持つSiTCP-VMEモジュールの開発ができたので、公開する。
- 佐藤節夫, "中性子検出器読み出し回路システム," 応用物理学会放射線分科会-放射線、Vol.36 No.3、2010年9月号 p141~150
- 佐藤節夫, "中性子検出器のエレクトロニクス," 日本中性子科学会-波紋、Vol.20 No.3、2010年8月号 p241~244
- S. Sato, S. Muto, N. Kaneko, T. Uchida, M. Tanaka, Y. Yasu, K. Nakayoshi, E. Inoue, H. Sendai, T. Nakatani, T. Otomo, "Development of a readout system employing high-speed network for J-PARC," IPS08 Proceedings of International Symposium on Pulsed Neutron and Muon Sciences at J-PARC 2008、NIM A 600(2009)103-106